にっぽん てならい堂

例え話をしましょう。

その森では昔から、母から子へ、
そしてまたその子へと、
森の木の実が受け継がれていました。

そのまま食べたり、
その油を道具に塗ったり、
おもちゃにしたりと、
手間はかかるのだけれども、
木の実は生活の中で
色々に使われていたのです。

少し前からは、その木の実の代わりに、
みんなが新しい実を持ち始めました。
その実はちょっと不自然な気もしたけど、
手間がかからないし、
前の実よりも美味しく感じられたからです。

けれど、
新しい実で育った子どもが母親になる頃、
みんなが気づき始めました。

新しい実は便利だけれども、
子どもに引き継ぎたいのは、
やっぱり受け継がれてきた
木の実のほうなのだ、と。

母たちは子どもを連れて、
もちろん父たちも一緒に、
森へ、木の実のなる木を探しに行きます。

ずっと受け継がれてきたこの森の恵みを、
自分たちの手でもう一度、
子どもにつなぐために。

子どもにつなぐモノとコト。

にっぽん てならい堂は、
続けていきたいモノやコトを物語として、
五感で体験する場所です。